業務日誌

健康じてんしゃ店の業務日誌です

2018

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2018–07–01

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パンクぐらいなら…

昨日は、営業時間の後、無事に出張修理を終えることが出来ました。

ところで、その出張修理について、 お客さんからご依頼を受けた際、
「自転車をお預かりして、一旦店に持ち帰って修理をします。その後もう一度自宅まで出向いてお届けします。」と説明します。
ほとんどのお客さんは、その場で修理作業をすると思っていらっしゃるので、 お客さんの自宅と店を 2往復することに驚かれます。

出張修理のほとんどは、パンクです。
パンクぐらいなら…と思われがちですが、設備が整った明るい店の作業場所の方が確実な仕事が出来ます。

昨日の出張修理は、後輪のパンクでした。
その原因は、写真の小石。
タイヤの内側には出ておらず、外側のトレッド面に付いた小石をひとつひとつ根気よく確認した結果、タイヤに突き刺さった状態で見つけました。

もし、お客さんの自宅で作業をしていたら、見つけられなかったと思います。

2018–07–05

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その場しのぎの修理はしたくない

土砂降りの雨の中、レインウエアに身を包んだ高校生の女の子が来店されました。
調子が悪いという自転車を見れば、直ぐにその原因が分かりました。
悪くなっている部品を交換すれば、「その場しのぎ」で直すことが出来ましたが、他の場所に目をやれば、後輪が大きく曲がっており、全体がひどく傷んでいる状態でした。

聞けば、卒業まで 1年半も通学で乗り続けるということです。
自転車はあちこち傷んでいるので、今日修理をしたところで卒業までに別の場所が次々と調子悪くなるということは明白。
自転車は乗れる状態なので、とりあえず今日の修理は保留するように説明しました。

朝からの雨で、まだ一件の修理もありませんでした。
店の売上の事を考えれば、何も言わずに修理を受けた方が良かったのかもしれません。
しかし、売上というものは、いくら金額を積み重ねても、「さらにもっと、もっと」という気持ちは抑えられず、満足することはありません。

自分や店の都合を滅して、どれだけお客さんに優しく思いやりを持って接することが出来るか。
とても難しい事ですが、その点を意識して、ひとつひとつの仕事をこなしていけば、そこにお金では得られない満足感があるのです。

2018–07–10

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安全に対する意識

後輪がパンクした自転車を押して、お客さんが来店されました。

自転車を受け取り、店内の作業場へ移して自転車を自立させたところで、ハンドルがクルッと曲がりました。
私は、後輪のパンク修理の作業を始めながら、お客さんに質問。

「こちらの自転車は、ここ(フロントフォーク)が曲がっています。事故などで大きな衝撃が入った事はありませんか?」
「はい、分かっています。息子が乗っている自転車なんです。」
「乗っている時、違和感があるでしょう?」
「フラフラしますね。直さないといけませんか?」
「危険です。たかが自転車と思われがちですが、もし事故になったら… 」

そんな話をしながら、私の手はパンク修理の作業を続けました。
タイヤからチューブを取り出し、水を入れた容器の中にチューブを通していくと、以前に修理された箇所から空気が漏れていました。
さらに、バルブ根元をはじめ、チューブ全体が傷んでおり、チューブを交換した方が良い状態でした。

私は、事故で破損した部品とチューブの交換を勧めましたが、修理代金が高額ということで、お客さんの了解を得ることが出来ませんでした。
そこで、自転車の処分方法(自治体の廃品回収)を説明。
引っ張り出したチューブの作業工賃については、請求はしませんでした。

2018–07–14

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休日は営業しています

今日からの 3連休は、休まず営業します。

長くサービス業に携わっているので、休日に営業するのは当たり前という感覚でいるのですが、自転車屋に対するお客さんの認識はそうでもないようです。

スポーツ自転車を扱うサイクルショップ、在庫が100台以上あるような大型自転車店なら、休日に営業するのは当然で、むしろ、かきいれ時なので朝から気合を入れるものです。

ところが、私の店のように、小さな下町の自転車屋の場合、休日は休業しているものと認識されているようです。
先日、修理で自転車を預かったお客さんに「3連休は営業しています」と言ったところ、とても驚かれました。

日曜日はいつものんびりしています。
店の前の道路も、人通りが少なくなり閑散とします。

「あの店は、休日も営業している」とお客さんに認識してもらえるようになるには、まだ当分かかりそうです。

2018–07–16

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見過ごせない

「チェーンを交換してください」
若い女性のお客さんがクロスバイクを持って来店されました。

自転車を受け取り、スプロケットを確認して、在庫しているチェーンから 9速用のSHIMANO CN-HG93を取り出しました。

お客さんに料金を説明、承諾をもらってから作業を開始しようとしたところで、後のブレーキシュー上面から飛び出しているフィキシングピンを発見。
「何じゃコレは?」と指で引っ張ると、簡単にポロリと外れました …
私は、自転車屋。
それを見過ごすわけにはいきません。

下町の小さな小さな自転車屋ですが、私の店にはデュラエースのチェーンがあります。だからというわけではありませんが、ブレーキのフィキシングピンもありました。
パパっとピンを取り付けて、その後、チェーンも交換することが出来ました。

2018–07–17

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出張先はどこ?

これまで出張修理では、姫路市街地を中心にいろいろな地域から依頼を受けました。
生まれも育ちも姫路の私ですが、出張修理で初めて訪れる地域も少なくありません。
見知らぬ土地を訪れる旅行好きの私は、お客さんから指示された場所を目指して車を運転するのを楽しんでいます。

しかし、難しい状況で悩む事もあります。
これまでの依頼の中で印象に残っている場所は、次のような出張依頼でした。

「ペダルを回しても自転車が走らないのですが…」
「今、どちらにいらっしゃいますか?」
「大きな川の橋の上です」
「川の名前は分かりますか?」
「分かりません」
「橋の名前は?」
「分かりません」
「近くに何か建物はありますか?」
「自動車の教習所が遠くに見えます」

私は、大きな川を市街地東部を流れる市川と決め、山陽自動車教習所が見えそうな橋を予想して、それを阿保橋と断定。
その地点のグーグル ストリートビューを見ながらお客さんと話しました。
「そこから〇〇という会社の緑色の看板は見えますか」
「はい、今立っている場所の側です」
めでたく、お客さんのいらっしゃる場所を特定することが出来たのです。

昨日は、営業終了してから、パンクしたというお客さんの自転車を引取りに行きました。
指定された場所は、とても通行量の多い写真の幹線道路沿い。
かなりビビりましたが、「大丈夫ですよ♪」というお客さんの言葉を信じて自動車を停車させました。

これまでの出張依頼の中で、最も分かりやすい場所でした。

2018–07–20

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Googleマップ

昨日は、お客さんからの出張依頼が 2件ありました。

最初のお客さんから電話がかかってきた時、ちょうど 2名のお客さんが来店されたタイミングでした。
ひとまず、出張依頼のお客さんがいらっしゃる勤務先、住所、電話番号を聞いて、出張の打ち合わせは後ほどという事にしました。

ひと段落して、再び出張依頼のお客さんに電話をかけると、営業時間外で不通…
しかたなく、グーグルマップでお客さんから教えていただいた住所を調べてみると、該当なし…
ちょっと焦りつつ、教えていただいた勤務先名をグーグルマップに入力すると、直ぐに場所が分かりました。
グーグルマップに表示された勤務先のローカルページを見れば、住所は違いましたが、教えていただいた電話番号は同じだったので、場所は特定できました。
ところが、再び電話をかけてみましたが、やはり不通でした。

「さて、どうしようか…」
少し悩みましたが、勤務先ということなので、いつものように私の店の営業終了後に訪問しても、お客さんは退社されています。
そこで、アポなしでお客さんの勤務先へ行ってみたところ、お客さんが表に出迎えていらっしゃいました。
その後、自転車をお預かりして、修理した後、無事配達することが出来ました。

出張依頼 2件目のお客さんから電話がかかってきたのは、西に日が傾いた営業終了10分前。
姫路駅近くの山陽百貨店からでした。
営業終了してから店を出発する事をお客さんに説明したところ、 「直ぐ近くのスーパーで待っています。」とお客さん。
姫路駅周辺は、一般車両の立入制限があるため、スーパー近くまで進入できるのか、グーグルマップで調べてみました。

地図を見ると、指定されたスーパー周辺は一方通行となっており、そこから出るには、立入制限されている駅前の大通り以外ありませんでした。
そこで、スーパーから最寄りの一般道路に路駐して、お客さんに電話。スムーズに自転車を積み込むことが出来ました。
聞けば、グーグルマップで私の店を検索されたということでした。

グーグルマップは、私の店にとって、集客に大変役立っており、その効果に驚いているのですが、お客さんからの出張依頼においても本当に便利なビジネスツールとなっており、いつも、ありがたいなぁと思って使わせてもらっています。

2018–07–24

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店舗の入り口は?

数日前、76歳の母に「熱中症になるからクーラーのスイッチを入れなさい」と言ったところ、「私は大丈夫。暑くないから」との返答。
ちゃんとクーラーを使っているのか心配です。

私の店では、入口の戸をピシャリと締めて、クーラーをフル稼働させて営業しています。
来店されたお客さんは、店内に入られると「わぁ、涼しい~」と、まるでサウナから出てこられたような感じで喜んでいただいています。

私の店舗は自動ドアではないため、お客さんが来店された「気配」を感じたら、たとえ作業中であっても手を止めて、素早く入口の戸を開けて、「いらっしゃいませ」と言ってお客さんをお迎えします。
また、店からお客さんが出られる時は、先に入口の戸を開けて、「ありがとうございます」とお送りします。

自転車屋という商売は、自転車と一緒に店内を出入りするため、仕事の効率を考えれば、入口を開けっ放しにした方が良いのかもしれません。
しかし、店主が入口に立ち、戸を開閉してお客さんを送迎することで、来店していただいた感謝の気持ちをお客さんに届けられると思っています。

自動ドアでは、それは難しいです。

2018–07–28

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お盆期間は営業します

厳冬だった今年の冬を乗り越えたハイビスカスが、真っ赤な花を咲かせました。台風が接近しているので、今晩は店内へ避難させておきます。

来月お盆期間は、通常通り営業することに決めました。
定休日が水曜なので、お盆は 8月15日が休みとなります。

実は、私はもう直ぐ49歳になります。
これまでを振り返ると、お盆の休暇が無いなんて考えられない事でした。
しかし、50歳を目前にイイトシになると、若い頃のようにアソビたいという願望はやや薄らいだように感じます。

これまでは、お金やモノ、高い役職や地位、名声を手に入れることが幸せと思っていましたが、個人事業者として自転車屋を営んでみると、また別の幸せがあることに気が付きました。

50歳を目前にすると、どうしても「老後」という言葉が気になり始めます。
老後をどのようにして日々過ごすか…、それが問題となるようです。
さらに、「老後」を迎えて毎日を過ごしていると、次は「死後」をどのように迎えるか考えるようになる…と、作家、五木寛之さんが書かれていました。

人の幸せのひとつに、「他から必要とされる仕事をもつこと」があるそうです。
私は、同窓生に比べてみれば、年収も社会的地位もずいぶん低いのですが、自転車屋という仕事のおかげで、人の役に立てるように自己の良心を磨くという幸せを実感しています。

やがて私も死を迎える際、「よく生きた!」と思えるように、ほどほどに休まず仕事をして、来月のお盆には「しっかり生きています」と、死後の世界にいらっしゃるご先祖様に報告したいと思います。

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