業務日誌

健康じてんしゃ店の業務日誌です

2018

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2018–11–03

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26.5パーセント

空気が抜けた自転車を押して、お客さんが来店されました。
「前にも、こちらでチューブを交換してもらったんですけど…」とお客さん。
チューブを確認してみると、空気不足による摩耗が原因のパンク。
作業記録を調べれば、昨年 6月にチューブを交換した自転車でした。

重なる時は重なるもので、続いて同じ症状の自転車が持ち込まれました。
「前にも、こちらでチューブを交換してもらったんですけど…」とお客さん。
いわゆる「 パンクしにくいタイヤ 」が装着されており、空気不足によってバルブ根元が引きちぎられた状態でした。
作業記録を調べれば、昨年12月にチューブを交換した自転車でした。

私の店では、写真のチューブを交換補修用に販売しており、チューブの品質には問題ありません。
また、お客さんにはいつもパンクの原因をしっかり説明しています。

作業記録を見てみると、過去 3ヶ月にパンク等のタイヤのトラブルで持ち込まれた自転車のうち、原因が空気不足だったのは、少なく見積もって26.5パーセント。
この数字を多いとみるか、少ないとみるか…

2018–11–08

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仕事を楽しむ

創業当時、「自転車屋なんだから出来るだけ多くの自転車を展示して、販売しないといけない」という、「~ べき」的な考えがありました。
しかし、僅かな床面積の小さな店で、しかも、私ひとりで出来る仕事の量は、どんなに頑張っても限られています。
しかも、私はモノを売る営業センスなんて全く持ち合わせていないものだから、自転車の販売台数は衝撃的な少なさです。

現在、店内に展示している自転車は、3台。
多い時でも 5台です。
最近、自転車が売れなくても不安な気持ちにならなくなりました。

「1万円前後の自転車が欲しい」
「いくら値引してもらえるんや」
そう言われても、焦らなくなりました。

「良い自転車が欲しい」
「しっかりメンテナンスしてもらえる店で買いたい」
そのようなお客さんに買ってもらえたら、自転車屋という仕事は楽しいんじゃないかなと思っています。

2018–11–11

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プレッシャー

後輪のチューブを交換する作業がありました。
お客さんは、近くにあるお店へお買い物に出かけられました。
車体から後輪を外したところで、別のお客さんが自転車を押して来店。
「パンクしたんですけど」
「今、修理中なんで、待ってくださいね」
私はそう言って、お客さんを店内の椅子へ案内しました。

修理が重なるのはいつもの事ですが、私は平常心を保つようにしてチューブ交換の作業を再開します。
そうしたら、車輪の回転する軸に大きなガタがあることを発見。
パンク修理で待っていただいているお客さんの視線は、大きなプレッシャーでした。
予定外の作業でしたが、私は迷うことなくブレーキを外して(写真)ベアリングの玉当たり調整をしました。

実は、昨日にも同じ事がありました。
お預かりした自転車は、タイヤ・チューブ交換でしたが、後輪を外してみるとハブ軸の回転が非常に重く、予定外の作業でしたがベアリングの玉当たり調整をしました。

昨日の自転車は直して、今日の自転車は直さない…というのは平等ではありません。
今日の場合は、パンク修理のお客さんが待っている状況の中、「今やっている作業を早く終わらせたい」という気持ちがありました。
しかし、昨日の一件のおかげでプレッシャーに気負うことなく、冷静に対処できたのだと思います。

2018–11–15

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嬉しかったこと

自転車屋の仕事は、パンクなどの修理作業だけでなく、タイヤなどの部品を交換する作業も少なくありません。

気温が低くなる冬のシーズンに入ると多くなるのが、ペダルを踏んでも空回りする症状です。
これは、スプロケットのフリーラチェットの不具合で、潤滑オイルのスプレーを浸透させて一時的に直す方法が一般的(かな?)です。
しかし、あくまでも「痛止め薬」「その場しのぎ」な対処なので、再発する確率はとても高いため、私はその方法で対処するのは気が進みません。

ペダルが空転する原因としては、ラチェット部分の破損、またはグリスの劣化が考えられます。
そこで、後ハブ(写真)を丸ごと交換する方法が確実となります。
しかし、他の部品とは違って、短時間で交換できる部品ではないのです。

お客さんからいただく料金の内訳は、部品代金の他に工賃も含まれます。
写真の後ハブを交換するためにかかる時間と手間をそのまま工賃として換算すれば、とんでもない高額となってしまいます。
だから、私の店では、「タイヤ・チューブ交換」と同じ料金で交換作業を受けています。
ところが、それでも「高い」と言われるため、先の「潤滑オイルスプレー」で対処することが多いのですが…

先日、写真の後ハブを交換する作業を受けました。
お客さんに自転車を引き渡す際に、「ありがとうございました。これをどうぞ」と、 今が旬のフルーツを頂きました。

お客さんの、その気持ちがとても嬉しくて、嬉しくて、心に感じ入った一件でした。

2018–11–16

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部品の不具合

写真は、クロスバイクなどに装着されているシマノ社のシフターです。
気温が低くなるこれからのシーズン、多くなるのが通称「空打ち」という症状です。
ローギヤへ変速させる「メインレバー」を操作しても、まるで空振りするような感覚で変速できなくなるのです。

写真の赤色矢印に小さなツメとバネがあるのですが、その部分が写真にあるバネ下に見えるギザギザ部分に引っかからなくなるのが原因です。

経年劣化したグリスがネバネバになって、ツメがカチカチと小刻みに動かなくなった場合、潤滑オイルスプレーを吹き付けて対処するのですが、今日持ち込まれた写真の部品はいつもと違いました。

その自転車が持ち込まれた時、メインレバーがグラグラになっていました。
原因は、写真にある六角ナットの緩み。
3箇所あるナット緩み止めの役割を果たす座金突起部は、ナットに接触していませんでした。
その中の 1つは、折り曲げられた部分にヒビが入っており、触れるとポロリと欠落…

私は、緩んだナット、メインレバー、解除レバーを外し、ユニットを分解してみました。
外した細かい部品をよく見ると、レバーの回転軸部分に摩耗があり、ユニットを再度組み立て直し、最後にナットを所定の位置に固定しても、メインレバーが僅かにグラグラします。
再度分解して、軸部のパーツ(パイプとワッシャー)がズレていないことを確認しましたが、問題なし。
結局、少しの「グラツキ」のために、赤い矢印のツメがユニットに引っかからないことが時々あり、「空打ち」の症状を完全に直すことが出来ませんでした。

年式の古いシフターの場合、回転軸部の摩耗も考えられるため、潤滑オイルスプレーを吹き付けて対処するのは、「一時しのぎ」になるため、シフターそのものを新品に交換した方が確実となります。

この度のシフターは、そもそもナット緩み止めの座金突起部に不具合があったように思われます。
それを考えると納得できないのですが、まぁ、起きてしまった事はしょうがないということで、新しいシフターを手配することにします。

2018–11–19

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お客さんとの会話

前タイヤの空気が抜けてしまった自転車が持ち込まれました。
見てみれば、タイヤ・チューブがひどく傷んでいる状態。

「これは、タイヤとチューブを交換した方が良いですよ」
「他の自転車屋さんで、” 両方交換しておきますね ” て言われて、ついこの前に交換したばかりなんですけど…」

確かに後輪はブリヂズトン社の新品タイヤでしたが、前輪は他メーカーの古いタイヤです。
その自転車屋さんが言った「両方」とは、タイヤ・チューブの「両方」だったと考えられます。
ずっとスマホを見ていたので、作業の様子は確認していなかったという事でした。

その後、徒歩のお客さんが来店されました。
「自転車のデンチは交換できますか?」

「デンチ」を乾電池と考えると、誤解が生じるだろうと思い、
私は、「ライトですね?」と尋ねました。

最終的に「デンチ」とは、ダイナモライトの「電球」だと確認することが出来ました。

会話って、難しいです。

2018–11–22

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冬へ

季節は移って、秋から冬へ。
今日は、ストーブに灯油を入れました。

私は、修理作業で体を動かしているためなのか、あまり寒さを感じません。
ところが妻は寒そうで、今日は早く帰ってしまいました。

2018–11–24

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営業部長

先日の定休日、ブリヂストン社の展示会を訪れた時の事。
一緒に行った妻が、「カワイイ~」という自転車(写真)があり、その場で注文しました。
今日、それが入荷し、展示するため組み立てました。

完成して展示用に並べたところへパンク修理が入り、なんと作業中に完成したばかりの自転車の注文を頂きました。
「こんな色の自転車を探していたんです」と、女性のお客さん。

「完成後、10分で売れた!」と、鼻高々な妻。
これから「営業部長」と呼ぶことにしましょうか。

2018–11–26

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信用と信頼

これまでに、商品を注文されたお客さんが来店されなかった…という事が一度だけありました。
しかし、私は、店を「信用」してもらうためには、まずお客さんを信用することが大切だと考えてきました。

中国のある古典に、「徳は事業の基なり」とあります。
その処世訓によれば、徳とは、謙虚、寛容、思いやり、信頼、精励などをいうそうです。
信用することを心がけてきた私は、「信頼」という言葉の真意を見つけられずにいました。

一週間前の事です。
サドルとペダルのご注文をいただき、今日はそのお客さんが来店される約束の日でした。
たまたま、来店されていた常連さんが、ポツリと話されました。
「自転車屋さんは、お客さんとの信頼関係を築きやすい業種だからいいですね~」と。
ちょうど、そのタイミングで、サドル・ペダル交換のお客さんが来店されました。

私は、常連さんの言葉にハッとさせられました。
「信用」ではなく、お客さんとの信頼関係を築く事こそが大切なのだと…

2018–11–29

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押しピン

問題です。
タイヤに押しピンが刺さっていることに気が付きました。
そのままにしておいた方が良いか、直ぐに抜いた方が良いか、さて、どちらが正解でしょう?

先日、パンク修理のお客さんが来店されました。
聞けば、抜かずにしばらく走ったとの事でした。
チューブを調べてみれば、写真のように数え切れないほどの無数の穴から激しく空気が抜けている状態。
もうこうなってしまったら、パッチを貼って直すには無理があります。

押しピンが刺さった直後なら、穴は一か所だったはずです。
ところが、その後もタイヤがグルグル回った場合、チューブが少しずつズレて、押しピンが地面に接する度に新しい穴が開いてしまうのです。
結果、悲しいかな、チューブ交換となります。

今日、パンク修理のお客さんが来店されました。
チューブを調べてみると、小さな穴が一か所だけ見つかりました。
「押しピンが刺さってたんですわ。直ぐに抜いたけど、良かったんかな?」とお客さん。

「場所が分かりやすいように」という事で、刺さった押しピンをそのまま残して来店されるお客さんも少なくありません。
最初の問題の正解は、もうお分かりですね。

押しピンは刺さったら、直ぐに抜きましょう。

2018–11–30

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スマホ対応

当サイト「健康じてんしゃ店」のホームページをスマホ対応へリニューアルしました。

今頃になって…と言われそうですが、専門業者に制作を依頼せず、全て自分でHTMLタグを並べて手作りしているがゆえ、対応が遅れてしまいました。

変化の激しい「 I T 」の世界において、ホームページ制作の現場もまた、スマホの普及によって大きく変化していました。
50歳を目前に、硬くなってしまった頭で、新しい事を独学で覚えるのは一苦労でした。

「じゃぁ、これまでの "播道つれづれ" は?」というと、リニューアルした店のホームページにて、「業務日誌」として続けていきたいと思います。

8年の間、運営してきました "播道つれづれ" は、本日をもって更新を止めます。
過去の日記アーカイブにつきましては、リニューアル作業が完了するまでの間、更新を続けます。

これまでご愛読いただきました皆さまには、いろいろな面で助けていただきました。
店のホームページが検索で引っかかるように、毎日クリックして訪問していただいたお客さまもいらっしゃいます。
本当にありがとうございます。

引き続き、店のホームページ「業務日誌」をご愛読いただきますように、よろしくお願いします。

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