2009–06–17

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三原の市街地から国道 2号を走って本郷という町へ。そから国道は山岳ルートに突入します。

やがてゆるい勾配の上り坂があらわれ、痛みが出はじめた膝では、思うようにペダルを踏み込むことが出来ません。
走っているルートは、物流の幹線ルートのようで、大型トラック、トレーラーがものすごいスピードで頻繁に脇をすり抜けていきます。その時に背後から追い風が吹くことになり、少しは楽をさせてもらえました。

写真は、最後の坂道を撮影したものです。
町の境が峠になっている典型的な例です。これを越えると道は下りとなり、東広島の市街地に入ります。
ただし、走っている国道 2号はそのまま進むと西条バイパスになるので要注意でした。

市街地に入ると、想像していたより活気のある大きな街でした。これまで走ってきたルートが山間部の田舎だったので、そのギャップに少し驚きました。

東広島市からは、国道 2号で広島市を目指しました。いざ走ってみると、下る、下る、下る···
内陸部の東広島市がいかに標高の高いところにある町であるかを身をもって知りました。
下りの国道を渋滞の車と一緒に徐行して、時々歩道も走りながら、広島市内に到着したのは 19時になろうかという頃でした。

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市街地に入る前、自動車メーカー「マツダ」の工場を見て、広島に到着したことを実感しました。

市街地は、岡山や福山の市街地と同じく、停止・発進連続の歩道走行。とりあえずの目的地だったので一息入れることに。交差点近くにあったベンチに座って、しばし休憩しました。
姫路を発って252キロ。予定していたよりペースが遅くなっていました。「なんとか下関まで走りたいなぁ」と思いながら、日没間近の広島市街を出発しました。

広島市からは宮島街道と呼ばれる一般道を走ります。
そのルート、ものすごい量の交差点でほとんど赤信号で停車。全くペースが上がりません。そのうち日は暮れて暗くなり、いよいよ夜間走行となりました。

広島の市街地を出発して約 1時間で宮島口に到着。世界遺産、厳島神社とその周辺は、暗闇の海の向こうにその明かりが輝いて見えました。
駅前でしばらく休憩。さらに先を目指して出発しました。

山口県に入り、岩国市からは進路を内陸部へ。
昔の山陽道と並行してある欽明路道路を進みました。
灯りのない暗闇の上り坂が続きます。欽明路道路とそれに続く国道 2号は、いわゆるトラック街道のようで、トラックのヘッドライトのおかげで前方がよく見えました。
歩道がない夜間の道路では、疾走する大型車を横に走行するのはかなり危険でしたが…。

膝の痛みで長く続く上り坂ではペースが上がらず、これより先何十キロもそのような状況が続きました。
やがて、眼下に周南市の街の灯りが見えた頃には、すっかり疲労困憊。
市街地に入ってからは、平坦路になっても膝以外にも全身の痛みでペースが全く上がりません。

これが体の限界かなと思って、JR新南陽駅でペダルを回すことを止めました。

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姫路からの走行距離は、344キロ。

新南陽駅に着いたのは、日付の変わった午前 1時過ぎでした。
こんなに長く自転車に乗ったのは初めての経験です。
できれば下関まで走りたかったのですが、もう走らなくてもよいと思う気持ちの方が勝っていました。

この度のツーリングでは、これが自分の実力で、限界まで走れたことはうれしく思います。
ただ、「下関まで走ってくるぞ!」と言った息子にはどのように報告しようか難しいです。
目標は大きく、あきらめずにまた挑戦とでも言っておきましょうか。

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夜中の駅の待合室は誰もいません。
まずは駅のトイレで、真っ黒になっている顔や腕を水で洗ってスッキリしました。
新品同様だったグローブは、手のひらが真っ黒になっていました。
駅の明るい照明は、夜道を走った疲れを癒してくれてホッとされられました。

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始発まで時間はたっぷりあるので、誰もいない駅の待合室を占拠して帰りの支度をのんびり始めます。
サドルに付けていた輪行袋を広げ自転車を入れます。
時間に追われることなく、誰にも気を使うことなく、床もベンチも壁も使い放題。

帰り支度が整った後、ベンチに疲れ切った体をうずめて、始発列車を待ちました。

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新南陽から徳山で新幹線に乗り換え、あっという間に姫路駅に到着。
20時間かかって自転車で走った道のりをわずか90分ほどで走る新幹線。すごいです。

この度のツーリングは、私にとって初めてのロングライドとなりました。
出発前は、「出来れば下関まで走りたいなぁ」と、なんとなく定めた目標でした。
しかし、300キロ以上を走りきった後では、下関は絶対にたどり着きたい目的地となったのです。

下関までの道のりは、450キロ。
来年、再び挑戦します。

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