2012–06–04

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「チャレンジ!ロングライド山陽道」と称して下関を目指し、3度目の挑戦で完走できたのが昨年のことでした。
今年は新たな挑戦として「ウルトラロングライド」と改め、本州を飛び出して九州へ上陸し、600キロ以上離れた熊本まで「 0 泊」で走る計画を立てました。

「そんなこと出来るのか?」「危ない」「2日も寝ないで走るなんて無謀」と多くの方から言われましたが、無理と決めてしまっては可能性も無くなってしまいます。
昨年に下関まで走った経験があり、下関から180キロ走れば熊本に着くじゃないかという単純な理由だけで、なんとなく行けると思えたのです。

写真は、出発直前に妻に撮ってもらったもの。この後、時計を見て、8時50分ちょうどに自宅を発ちました。
体調を崩して出発日が遅れてしまったので、スタート出来ること自体が嬉しく思えました。

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事前にルートラボで線を引くと、姫路から熊本までの距離は 625.7キロでした。この数字が完走を目指すための計画を立てる全ての元になりました。
これまでのロングライドでは、休憩を含めた平均速度はいつも 17km/hちょっと。この度はいつもより距離が長いので、平均速度を 16km/hに設定し、熊本まで 40時間で走れるのでは?と目論みました。

写真は、揖保川に新しく架かった龍野大橋。新たな挑戦に向かって西へ旅立つ私にとって、その大きく立派な橋を渡る時は気が引き締まる思いになりました。

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計画の段階で、熊本まで 40時間かかると分かり、次は出発時間を決めます。
これまで 3回のロングライドでは、いつも 5時30分に自宅をスタートしました。下関まで同じルートを走るため、ペースが早いのか、遅いのか、調子の良し悪しを判断できるのもメリットです。
しかし、5時30分に出発するためには起床時間はそれよりもっと早くなり、睡眠時間が短くなってしまいます。40時間も連続して走ることを考えれば、十分な睡眠時間が欲しいところ。
そういう訳で、実際は 8時50分に出発したのですが、残念ながら出発前夜は気持ちが高ぶってしまって、5時頃まで全く寝られないという最悪の事態となってしまったのです。
後から考えれば、昼寝をしてから夕方にスタートすれば良かったのかも。

写真は、相生から赤穂に向かって走っている途中の高取峠。
先は長いので、出来るだけゆっくりしたペースで坂道を上りました。

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高取峠を越えた後は、赤穂の街を通り過ぎてから鳥打峠、岡山との県境にある福浦峠と坂道が続きました。
いずれの坂道でも、できるだけ低速で走るように心がけました。そのために心拍計を使用。坂道だけでなく平坦路でも、心拍数が 140bpm前後になるように速度をコントロール。
といっても、140bpm前後に抑えられたのは、倉敷を過ぎた辺りまで。胸部に装着する心拍計のトランスミッターは、心拍数をコントロール出来なくなった時点で早々に外しました。
昨年より早い段階で心拍数が高くなってしまったことは、調子が悪いということ。それは、写真の福浦峠を越えた時点で気が付いたので、ペースが遅くなっても構わず、それより補給のタイミングに十分気を付けることを優先させました。

最初の補給は、県境から約 9キロ先にあるコンビニにて、あんパンと缶コーヒーを頂きました。

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備前からは、昨年同様に旧山陽道を走りました。
国道より安全に走れる大変ありがたいルートです。車に気を使うことなく走れるため、精神的な疲労も軽減できます。
旧山陽道は、岡山の市街地まで続いており、途中の分かりにくい分岐点では、GPSマップを頼りに走りました。
このような裏道は、出発前にあらかじめ地図を見て調べておき、ルートラボで線を引いて作成した走行予定ルートのデータをGPSマップに同期させておきました。
そのGPSマップは、予備を含めて合計 4個のバッテリーを用意しました。それだけあっても600キロの使用には不安があったため、道が分かりにくい区間のみ電源を入れることにしました。
最終的には、1個のバッテリーは未使用のまま熊本に到着したのですが…

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岡山市街地に到着。
ちょうど13時でした。最初の補給からそろそろ 2時間が経過する頃です。
この時点で、2回目の補給のためのコンビニで停車することにしました。お店は直ぐに見つかり、そこで調理パンと野菜ジュースを購入しました。
ロングライドで最も難しいのは、補給といわれます。疲労してくると空腹感も食欲もなくなり、その状態でも定期的に何か食べないといけないのです。
個人差はありますが、私の場合、2時間毎の補給がベスト。そのために、走行中は絶えず時刻を気にしていました。
なんといっても600キロ以上も走るのですから、補給については他の何より気を付けました。

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岡山市街地からJRの線路に沿った県道を西に進んでいきます。写真の場所は、舗装の状態が良く、路側帯も広いので、交通量が多い割に走りやすい区間です。
岡山の市街地で補給を摂ってからしばらくの間、食べ物を消化する体は重く感じるのですが、写真の頃には消化した食べ物がエネルギーとなって調子良くペダルを回せるようになりました。
やがて疲れてくるのですが、その感覚とタイミングが大切で、エネルギーが残り少なくなってきたという体のサインなのです。私の場合、それが 2時間というわけです。
ロングライドで厄介なのは空腹感がないことで、ゆるい坂道を上っているような疲労感がその代わりにやってきます。
補給のタイミングが遅れるとその疲労感は大きくなり、さらにその状態で無理をして走ると、低血糖状態になって動けなくなります。その段階で初めて空腹感を感じるのですが、残念ながらもう手遅れなのです。

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倉敷を通り過ぎて、それより 8キロほど進んだところの高梁川にやってきました。
姫路からの走行距離は 100キロを越え、私にとっては久しぶりに見る数字。
この度は、早い段階から調子が悪く、それは心拍計が表示している数字で分かりました。
昨年のウルトラロングライドでは、広島県の県境辺りまで 140bpm前後の心拍数を維持できたのですが、この度はかなり高め。写真の場所で既に 150bpmを越えていました。つまり、朝のトレーニングで清水峠を上っていた心拍数よりも高いのです。
高梁川を越えたところで、時刻を見るとそろそろ補給の時間が迫っていました。この先の金光町から笠岡市の間は裏道を通るため、高梁川を渡ったところの玉島のコンビニで 3度目の補給として、菓子パンとコーヒーを購入しました。
ついでに、この時点で心拍計の使用は止めました。

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