2012–06–04

業務日誌の画像

写真は門司港駅。

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これまで走ってきた本州とは大きく違って、門司からは交通量も交差点も多くなり、ペースは一気にダウン。
九州に入って約 9キロ走ったところで、談合峠の山かけうどんを食べてから 2時間を過ぎた頃になりました。
時刻は正午を過ぎた頃。朝から 3食済まして食欲は全くありませんでしたが、タイミング良く現れたミニストップのコンビニで幕の内弁当を購入しました。
門司から海岸線に沿って走ったルートは、小倉で国道 3号に変えて進路を内陸へ。
そこからは、自転車にとってますます走りにくい市街地となり、おまけに小さなアップダウンが連続しました。

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小倉からは、こんな状況の中を走りました。
全くペースが上がらずイライラしそうになりましたが、交差点で停車するたびに休憩と割り切って冷静になるように努めました。
よく考えれば、急いだところで熊本に到着するのは深夜になるのですから。

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九州に入って27キロ。
ずっと西に向かって走ってきましたが、GPSマップを確認すると、この先数百メートルのJR黒崎駅を過ぎたところで左折することになっていました。
いよいよ久留米に向かって、九州の内陸へ入っていくわけです。
「これで、走りにくい市街地ともお別れや」と喜んだのですが…

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黒崎駅を過ぎて左折すると、その先には真っ直ぐに伸びる上り坂がありました。

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予想外の上り坂を 3キロほど進んで八幡西区割子川というところで、トレックコンセプトストアのバイクピット庄さんのお店が国道の西側に見えました。
オーナーの庄さんは、トレックの展示会で何度もお会いしており、私が勤める姫路の店にも来られたことがあります。
せっかく九州まで走ってきたのだから、ぜひ御挨拶しようと思ってお店の扉を開けました。
「こんにちは」と店に入ると、庄さんは私を見て直ぐに「おーっ」と声を出されて、暖かく迎えて下さいました。

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九州の見知らぬ土地で暖かく迎えていただいた庄さんのおかげで、夜を徹して兵庫県の姫路から走ってきた私は、本当に心身ともに安らぐことができました。
店内の椅子に座って、入れていただいたコーヒーを飲んでいる時、庄さんから名刺を手渡されました。
「明日は定休日だから、この先、何かあった時はここへ連絡を入れなさい」と。
手渡された名刺の裏側には、携帯電話の番号がボールペンで書かれていたのです。
それを見て思わず涙が出そうになり、庄さんの御厚意に感激してしまいました。

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姫路を発った時、正直なところ熊本まで走るのは無理かな思っていました。それは、岡山、広島辺りまで同じでしたが、広島を過ぎて欽明路道路を越えた時、ひょっとしたら行けるかもしれないと考えるようになりました。
熊本まで行けるかもしれないと思うと、今度はトラブルに対してこれまで以上に慎重になりました。
運転ミスによる機材破損はいつでも起りえることで、走行中は無理をしない運転に徹しました。仕事柄、多少の機材トラブルに対処するノウハウは持ち合わせていますが、少ない工具では直せる範囲は限られます。
特にホイール関係のトラブルは、スポーク、ニップルの破断、リムの変形など、程度によっては走行不能になるところ。
手組ホイールは、その点において安心できましたが、タイヤバーストに対するスペアタイヤは携帯していませんでした。

写真は、北九州市から直方市に向かって走っているところ。
ここまでの480キロは、3本用意したスペアチューブも使うことなく、ノートラブルで走ってこれました。
それでも、庄さんから頂いた名刺は、同業者であるゆえ、そういう意味においても大変心強かったのです。

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