2019–04–29

業務日誌の画像

写真のようなチェーン全体が覆われたタイプの自転車で、後ホイールを車体から外す場合、私はチェーンのジョイント部分を外す方法で作業を行います。
(前ギヤからチェーンを外す方法をとる同業者さんもいらっしゃいます。)

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写真は、従来からあるチェーンのジョイント部分です。
C型のクリップを外すことでチェーンを分断できますが、クリップの脱着には慣れが必要です。
また、クリップをセットする方向が重要となります。
チェーンが回転している時に、クリップがケースに接触しても外れないようにするためです。

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写真が、新しいタイプのチェーンジョイント。
最初に見た時は「クリップが欠品している」と思い込んで、卸屋さんに電話したところ、「クリップがいらない新しいタイプ」と聞いて驚きました。

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セットしてみると、なるほど、クリップをはめる溝がありません。
しかも、工具なしで指先で瞬時に着脱できるのです。
冗談ではなく、シマノ社チェーンのクイックリンクより早い!!

しかし、新しいタイプのジョイントには戸惑っています…

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チェーンのトラブルは少なくありません。
写真は、従来タイプのジョイント部分が破断しています。

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チェーン破断のトラブルは、ジョイント部分に限った事ではありません。
写真のように、チェーンに想定外の過大な張力が加わった事が原因で破断する事例は、これまで多く見てきました。

それらのお客さんには、ギヤから外れてしまったチェーンを直してもらった後に切れたという共通点があります。

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一般自転車の前ギヤは、その軸が中心から僅かにズレている事が「当たり前」です。
つまり、ギヤが360度一周する間に、チェーンの張り具合が緩んだり、引っ張られたりして、絶えず変化するのです。

チェーンの張り具合を調整する際には、前のギヤを少しずつ回転させ、その度にチェーンの張り具合をチェックします。

そして、チェーンが一番強く張るタイミングを把握した上で、最適な張り具合に調整します。
外部に露出しているチェーンなら、指先でチェーンを直接触って確認できますが、チェーン全体がケース内部に隠れている場合、その調整には経験を要します。

新車の場合は、チェーン初期の「なじみ・伸び」を想定して、最初から張り具合を強めにする業界の慣習があります。
ゆえに、メーカーから納入された自転車は、必ず前ギヤの偏芯を考慮した上で組立・点検を行います。

話が長くなってしまいましたが、新しいタイプのチェーンジョイントの引っ張り強度は、果たして心配しなくてもよい程度なのでしょうか…

新しモノ好きの私ですが、こんな事で心配するようでは、もうすっかり保守的な一般自転車の世界に染まってしまったのかもしれませんね。

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