2012–06–04

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西鉄、久留米駅から高架に沿って南へ進んでいくと、狭い歩道に面したショーケースが目に入りました。
きれいに拭かれたガラスの中には、数種類のうどんと丼のサンプルが並んでいます。
私はロードバイクを歩道の手摺に留めて鍵をかけ、店内の一番手前のカウンター席に腰をおろしました。
これまでうどんばかりで飽きたので、ここでは親子丼を注文しました。

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普通のうどん店と思ったのですが…、さにあらず。
次々と店に入ってくる常連とおぼしき客の勢いよろしく、ここはうどん店にあらず、居酒屋か?!

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「おやっさん」が営む店の屋号は、さわ荘うどん 東町店 。
空のボトルに水を頂きたいと声をかけたのがきっかけで、カウンター越しにおやっさんと、そして居合わせた定連さんとも楽しい会話ができました。
兵庫県の姫路から走ってきたことを話すと、「前の晩はどこに泊ったのか?」という質問。
私のウルトラロングライドについて説明はしましたが、本当に理解してもらえたのか、今でも不明のままです。
そんなことよりも、たまたま入ったお店で、人情あふれる人々に出会えて、私は久留米、いや、九州の人が大好きになりました。

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19時15分、店先まで出て私を見送ってくれる店主に別れを告げて、久留米の街を後にしました。
国道に合流した頃にはすっかり日が暮れて、このロングライドで 2度目となる夜間走行のためにライトを点灯。
気を引き締めて、最終目的地の熊本を目指します。

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国道を走る車のヘッドライトを見て、
「昨晩も走っていたのか」と、ふと思いました。

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沿道に建ち並ぶ店舗の照明は、ずっと同じような光景に見えて、この辺りから心の旅をしているような気分になりました。
つまり、使い古された表現ですが、
旅は人生なり。
これまでは豪気のもと前のみ見て突っ走ってきたのだと。
熊本までの残された道のりは、これまでを振り返る区間であると。

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筑後、みやま、次々と夜の街が自転車の前方から後方へと流れ去っていきます。
そして、
21時、福岡県の最南端にある市、大牟田の駅前に立ちました。熊本への県境は、3キロほど先。
この後、県境を目前にした地点で、最後の補給を摂りました。

サイコンのトリップメーターは、「600」という数字に少しずつ近付いています。
それは嬉しい半面、旅の終焉を示す寂しいことでもありました。

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