業務日誌

健康じてんしゃ店の業務日誌です

2018

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2018–01–11

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ままならない

2018年、最初の営業日。
店のシャッターを上げて、久しぶりに店内に入ると一件の留守番電話が入っていました。
それは、30分程前にかかってきた自動車保険会社からの電話でした。

開店準備が整った頃、その保険会社から再び電話がかかってきました。
「自転車のペダルは交換できますか?」

最初、私は保険会社の社用自転車の修理依頼かな?と思ったのですが、わざわざ社用車のペダル交換だけのために留守番電話に録音を残し、直ぐにまた電話をかけるぐらい緊急な事なのか?と疑いました。
そこで、質問してみました。

「その自転車は、物損事故ですか?」
「はい、そうです。」
「ペダルとは足で踏む場所の部品の名称で、そこから伸びている棒をクランクと呼ぶのですが、それが曲がっているのでは?」
「はい、そのクランクを交換していただきたいのですが…」

保険会社の方からの話は次のような依頼でした。

被害者の自転車は、ギヤがある右側クランクが曲がっており、しかも通販で購入された電動アシスト。
破損したクランクは新調するのではなく、別の自転車から外した部品と交換して欲しいということでした。
さらに、被害者の方は自転車を持って来店できないので、自宅まで訪問してもらいたいという、何とも難しい依頼内容でした。

まず、電動アシスト自転車の右クランク、しかも、通販というのが難点です。
なぜなら、普通のクランクと構造が違うからです。
そんな簡単に別の自転車から部品を移せるほど、話は簡単ではありません。
また、通販ということは、安価な中国製という可能性もあります。
そうなると、補修用パーツは入手困難です。
作業を始める前に見積金額を出し、実際に作業を開始してから想定外の事態になった場合の料金、た、出張修理という依頼は、もし作業不可能の場合でも出張料金が発生するのですが、それらを請求できるのかどうか…
自転車を見ていない時点で、保険会社の方にどのように返答してよいのやら困ってしまいました。

しかし、私同様、受話器の向こうで保険会社の方も困っていらっしゃる様子が分かりました。
そこで、「よし、どうにでもなれ!」と覚悟を決めて、その仕事を引き受けることにしました。

お昼過ぎ、店の留守を妻に頼んで、私は被害者の方の自宅を訪ねました。
駐輪場に案内され、そこにあった電動アシスト自転車を見て愕然としました。
それは、見たこともない小径ホイールの中国製で、ボトムブラケット上部前方にはサスペンションまで装備されているという、私の望みを断つには十分なスペックでした。(写真の自転車とは関係ありません)

「保険会社の方から、別の自転車から部品を移すと聞いたのですが…?」と尋ねたところ、少し離れた別の駐輪場に案内されました。
そこにあった部品取り用の自転車を見てビックリ。
全く同じ電動アシスト自転車がそこにあったのです。

その後、2台の自転車を店へ運び、無事に部品交換作業を終えることが出来ました。
保険会社の方に連絡すると、「本当に助かりました。また、困ったことがあったら頼んでもいですか?」とホッとされた様子に、私も嬉しくなりました。

自転車屋という商売柄、自転車の物損事故に関する「ままならない」仕事が少なくないのですが、それでも、結果的には何とかなることが多いように思います。

2018–01–17

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通販業者から…

数日前の事。
ちょうどパンク修理の作業中に電話がかかってきました。
「お忙しいところ申し訳ございません。こちらは、○○と申します。」

そう聞いたところで、
「これはまたセールスの電話かな? 手の離せない時に迷惑な… 」
と思って、電話を切ろうとしましたが、よく聞けば、以前にペダルのトラブルで来店されたお客さんの件についての問い合わせだったので、作業が終わった頃にもう一度電話をかけてくれるように頼みました。

私は、修理で受けた自転車について、その作業内容と料金の他に、車種、車体カラー、タイヤサイズ、防犯登録などの記録を残しています。
それは、受けた仕事に責任を持つためです。

さて、先の電話で問い合わせのあったペダルのトラブルで来店されたお客さんの記録を探してみたところ、先月30日に仕事を受けたことが分かりました。
その真新しいブルーの車体の婦人用自転車は、「なんじゃ、これは~?!」という酷い状態でした。
見れば、フレームからBBの右ワンが完全に外れて、チェーンケース、BB軸と左右のクランクが車体の右側に偏って走行不能でした。

「これ、購入したばかりなんですよ。インターネットの通信販売で安く売られていた自転車だから、しょうがないんですかね?」というお客さんは、立腹された様子。
BBの右ワンがフレームから外れるまでに、クランクとペダルにガタガタと違和感があったはずで、その時点なら簡単に直せたのになぁと思いましたが、それをお客さんに言えば、火に油を注ぐようなもの。

私は、とにかく元の状態に戻すために、左右のクランクをBB軸から抜き取り、左側のワンもフレームから外しました。
そして、フレームを点検してみると、悲しいかな、ネジが潰れていました。

私は、お客さんに説明しました。
ネジが潰れているので、それを直すためには高額な修理料金になるということ。
そもそも、新車にもかかわらず、部品のネジが緩んだこと自体が問題であること。
お客さんは、「購入した通販会社にクレームを申し入れます。」と言われました。
その時点で作業をストップ。私は、分解した作業分の工賃を頂き、外した部品をナイロン袋に入れて、お客さんに手渡しました。
さらに、お客さんが通販会社に私が頂いた作業工賃を請求できるように、領収書を発行、自転車の状態を分かりやすく説明したメモ書きも用意しました。

さて、話は戻って…
パンク修理中にかかってきた電話とは、その通販会社の方からでした。
「あのう、持ち込まれた自転車はどんな状態でしたか?」

私は、お客さんの来店日、車種、カラー、不具合状態、作業内容とその代金など、詳細に説明しました。
それを聞いた通販会社の方は、「あぁ、そうでしたか。本当にご迷惑をかけました。」と大変恐縮されていました。
その口調から、お客さんからのクレーム対応に苦慮している事をうかがい知ることが出来ました。

この度は、まさか通販会社から電話がかかってくるとは思ってもいませんでした。
それにしても、通信販売で自転車を購入するのと同じくらい、「販売」もまた、リスクが大きいんだなぁと、大変困った口調で話している通販会社の方の様子を受話器の向こうに聞いて、なんとなくそう思わされた一件でした。

2018–01–28

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連日の真冬日、のんびりした営業日が続いております。

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