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弱い者いじめ
2023–10–01

本日からスタートしたインボイス制度。
私の店では、インボイスに対応できることを積極的にアピールする必要があると考え、まずはホームページに「インボイス対応 OK!」というワードを入れました。

大型自転車店ならインボイスに対応しているのは当然だと思われても、個人の自転車屋の場合は自らアピールしなければお客さんに認知してもらえません。
会社の経費でお支払いされるお客さんはとても多く、インボイス対応の領収書を発行できなければ大型自転車店の方へ仕事が流れてしまうことも考えられます。
現在使用しているレジは、インボイス登録番号はおろか発行元すら印字できません。
今一番欲しいものは、最新のレジです。
とりあげず、発行する領収書は登録番号を手書きすることで対応することに決めました。

今朝の新聞記事によれば、課税売上1000万円に満たない事業者である私は、弱い者に入るようです。
インボイス制度が世に出る以前から消費税を納めている私にとって、その記事の内容は「弱い者」というところに違和感を覚えました。

2019年、政府はキャッシュレスを推進する政策を打ち出しました。
当時、経済産業省のキャッシュレス推進政策について、誰もどこからも「弱い者いじめ」といった声は聞こえてきませんでした。
個人が経営する小規模小売店にとって、キャッシュレス払いにかかる手数料は大きな負担です。
そして、利益ではなく「売上の金額に課される」という仕組みは、キャッシュレス手数料と消費税(インボイス制度)に共通するところで、それも大きな負担の一因となっています。
利益率の高い(もうかる)商売なら負担は少ないでしょうが、カタログ定価が表示された自転車の販売は仕入原価が高いため、定価、原価、手数料と三方から利益が圧縮される大変厳しい現状があります。

電動アシスト自転車やロードバイクなど高額な自転車を扱う機会が多い自転車店に対して、クレジットカードが使えない場合に「強気でけしからん!」というクレーム話を多く耳にします。
インボイス制度は税金に関することだから「弱い者いじめ」、キャッシュレス払いは便利なサービスだから関係なし…、そこに違和感を覚えるのです。

課税売上1000万円に満たない事業者である私は、たしかに弱い者かもしれません。
しかし、他人のために役に立つ、困っている人を助けるという心意気で仕事をしている上では弱い者という自覚は持っていません。
サービスを提供する立場なら「弱い者」という自覚はむしろ捨てるべきです。

お客さんから「クレジットカードは使えますか?」と言われたなら「使えますよ」と返答することで、便利なサービスを提供すること、つまり、他人の役に立つことになります。
インボイス制度で消費税を納めることは、納税による社会貢献活動となります。

と、ここまでツラツラと書いてきましたが、キャッシュレス政策もインボイス制度も、つまりは売上をごまかす免税事業者を少しでも減らしたいオカミの思惑があると思うのですがね…

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信用・信頼
2023–10–06

上写真は、ブリヂストン社の「一発二錠」リコール交換部品です。
同リコールは2019年 6月に公表され、それ以来200台以上の対象車を受付けてきており、数は少なくなりましたが現在も続いています。

「一発二錠」リコール対象車は、2015年 9月までに製造された自転車なので、2016年に創業した私の店では対象車の販売は無く、リコールを受け付けた200台以上の自転車は全て他店販売となります。
その中で、リコール申込が目的で持ち込まれた自転車はごく僅かで、 パンク等の修理で来店された際に「こちらの自転車はリコールが出ていますよ」と私の方から声をかけた自転車がほとんどです。
そんな時、「今まで他の店にも持ち込んだことがあるのに、なぜ教えてもらえなかったのか?」と多くのお客さんが驚いた様子で話されました。

リコールに対応した店は、メーカーから少なからず工賃が支払われます 。
しかし、通常業務が忙しい時に重なったり、お客さんへの連絡が通じなかったり、部品交換に来店されなかったり、関係ない作業を無償で求められたりするなど、リコール対応の負担は少なくありません。
ゆえに、できることなら関わりたくない…というのが本音。

「なぜ、他の店はリコールを教えてくれなかったのか?」
そんなお客さんの言葉を聞くたびに、「知らぬふりは絶対にできない」と強く思うようになりました。
結果的には、「よく教えてくれた!」とお客さんから信用、信頼されるきっかけになったのではないかと思っています。
そういうこともあって、昨年公表された「ステンレス製リム」リコールについては、直ぐに自店で販売したお客さんのリストを作成し、片っ端から電話をかけて連絡しました。
思い返せば、リコールの対応によってバックヤードが交換部品で溢れ、両手の指を負傷して思考停止になるほど大きな負担でしたが、お客さんの信用、信頼を失いたくない一心からの即時行動でした。

私は 8年前に店を創業した時、信用、信頼を得る大変さを身をもって経験しています。
そしてまた、築き上げた信用、信頼は一瞬で失うものだと、BIGMOTOR社不正の報道を自戒の念を込めて見ました。

上写真の交換部品(右側)のお客さんに、「交換の準備が整ったのでご来店をお待ちしています」と電話でお知らせしたのが 8月中旬のこと。
10月に入ってしまった今、再度連絡を入れたいところですが、お客さんを急かすことにもなりかねないため、慎重に時期を計っているところです。
自動車整備関係の方なので、まさかリコールを失念されることはないと思うのですが…

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偶数月
2023–10–16

商売を始めるための準備をしている時、同業者さんより「偶数月は意識した方が良い」とアドバイスをいただいたことがあります。
「何のこと?」とその時は全く分からなかった私でしたが、その時のアドバイスでは、偶数月は年金が支給される月だから、高齢者のお客さんにとって出費しやすいタイミングになるとの話でした。

今月初めのこと。
高齢男性のお客さんが自転車に乗って来店され、後タイヤの交換について料金等の質問を受けました。
「じゃぁ、今月13日にお願いするわ~」とお客さん。
13日が年金の支給日だそうで、年金暮らしはとにかく生活が厳しくて、お金がない、お金がない、と繰り返し口にされていました。
そして、「働きたくても仕事がぜんぜん無いんや、ホンマやで」と…

昨今は働き手がいない、人手不足による倒産などとニュースで報じられていますが、それは現役世代に限ってのことで、年金暮らし世代にとって望むような仕事は全く無いそうです。
思い返せば、製鉄会社のサラリーマンだった父は、現役時代に「自分の仕事はつぶしが利かない」とよく口にしていました。
元サラリーマンにとって、年金暮らしの現実社会というのは想像以上に厳しいようです。

先のお客さんについて、予定通り13日にタイヤ・チューブを交換させていただきましたが、昨日の15日に再び来店され「最悪や…、自転車が無くなった」とぼやかれていました。
聞けば、駐輪禁止区域に自転車をおいて、街の酒場で酔っていた間の出来事だったそうです。

偶数月を意識するのは、飲食店にとっても同じなんですね。

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非課税と不課税
2023–10–22

12月にTSマーク(整備点検に付帯する自転車保険)の更新を多く予定しています。
そのために、残り少なくなっていたTSマークのシールを発注したのが今週初めのことでした。

発注した翌日、TSマークのシールが送られてきました。
同梱されていた領収書を見てみると、全ての欄に記入がありパーフェクトな内容になっていました。
前回発注した時の領収書は、但し書き、消費税区分、税額の欄が無記入だったので、 インボイス制度の効果はすごいと実感。

消費税については、送料分の税額のみで、TSマークについては「不課税」と記されていました。
「不課税ってナニ…? 一般の保険や防犯登録と同じ非課税取引になるの? 」
そんな疑問と期待をいだきながら、発送元の兵庫県交通安全協会に問い合わせてみました。
その回答は、「切手と同じ扱いになります」とのこと…

郵便局で購入した切手は、そのレシートに消費税は印字されておらず、ポストに投函した時に課税取引として経費に計上できると認識しています。
今月初め、12月分の更新お知らせハガキに貼る切手をまとめて購入しましたが、それらを一括して経費には計上せず、貯蔵品として帳簿に記入しました。

不課税として仕入れたTSマークですが、 それが切手と同じ扱いなら、お客さんの自転車にTSマークのシールを貼り付けた時点で課税仕入れとなるようです。
TSマークについても防犯登録と同じように消費税の課税売上を減額できるかも~!と期待しましたが、残念ながらそんな虫のいい話はありませんでした。

そもそも、保険に関する資格も代理店登録もない自転車屋が、なぜ自転車保険を扱えるのか。
その理由は、整備・点検という事業の対価に付いてくる「景品」だからです。
景品は事業の対価に該当しないため、非課税ではなく、不課税という扱いなのかな?
私は税制に関して素人ですが、その道をしっかり学べばさらに知識を得られるかもしれません。
リスキリングという言葉を耳にするご時世ですから。

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